カナダ製作の恋愛作品。
作品構造が少し変わっており、自身に重ねることができる見せ方で
物語も儚くて切ない作りで話題を呼びました。
ではストーリーを

カナダのバンクーバー。夫と娘2人と暮らす23歳の「アン」は、
ある日腹痛で病院に運ばれ、検査を受け、ガンであることが発覚します。
そこで余命2ヶ月と宣告を受けますが、その事を誰にも告げないことを決めます。
そしてノートにオシャレの事、娘の事など、
死ぬまでにしたい10のことをノートに書き出し、アンの人生が急加速していきます。

今回はネタばれというか、あらすじで最後が見えてしまっていますし
この作品自体、死を目前に最後までどういきていくかが物語の見所ですね。
実際死が迫るとやり残した事をやろうと思う方は多くいるでしょうが
それが自分のためか、相手のためかで全然違ってくるとは思います。
そこの表現は上手く使っていたようで

結末が決まっているからか物語は淡々と進みます。
ただ10のことをこなしているように見えなくもないですが
その内容自体は物語を盛り上げる要素にしかすぎません。
アン自身の幸の薄さも相まって幸せを送っている裏に
儚さが見え隠れするのが何とも言えませんが、
死を扱っている作品としてはそれほど思い展開をみせていないので
力を抜いてみれます。

この作品ではアン自身が強く描かれています。
死を間際にして輝きだすアンの姿がなんとも悲しいのが1つのポイントです。
リストの中には「え〜!?」って驚く部分もあり、
自分なら…、って思う願いもありますがアンの残された人への気持ちが
垣間見えるのもポイントです。
しかし、美しく描きすぎている反面、現実感がなく
自分と重ね合えない部分も多々あります。
願いの1つで少し物語を壊してしまうような展開があり、
もう少し何とかならなかったのかとも思います。

重い印象を与えずドキュメンタリータッチで描いているので
とても好評化でした。全員いい人なので見ていて悪い印象はありません。
アン役のサラ・ポーリーの透明感がとても際立っていて
アンという人間にうまく解け合っていて見ているこっちとしては
違和感なく鑑賞できました。
良い意味でアンという人間の儚い人生を見れるので
無理に自分と重ね合わさずに見るのがベストだと思えました。